Dati-Ghosn-01
フランス文化相ラシダ・ダティ氏とカルロス・ゴーン氏の、ルノー・日産との契約を巡る汚職・ロビー活動疑惑の予備審問が、9月29日に開かれることが決まりました。
項目 内容
出生・出身 1965年11月27日、ブルゴーニュ地方のサン=レミ(ソーヌ=エ=ロワール県)に生まれ、モロッコ人の父とアルジェリア人の母の間に11人兄弟の2番目として育つ
初等〜高校教育 カトリック系私立中学に通い、中流の公立高校を卒業(1983年バカロレア取得)
大学学歴 ディジョン大学(ブルゴーニュ大学)にて経済学修士号、パリ・パンテオン=アサス大学で公法の学士・修士号取得
司法教育 1997〜1999年にボルドー国立司法学院(ENM)に書類選抜で入学し、受任裁判官として就任
職歴(初期) Elf Aquitaine会計担当、Matra Nortonでの監査、ロンドンの欧州復興開発銀行勤務、Suez・Lyonnaise des Eauxで都市開発関連業務
司法・行政キャリア ボビニー高等裁判所で法務監査官、ペロンヌ高裁で集団手続き判事、エヴリー検事総長補佐など法曹の役職を歴任
政治キャリア初期 2002年にサルコジ内相の顧問に就任、2006年にUMP入党後2007年大統領選でサルコジのスポークスパーソンに & 法相へ任命(2007‑2009年)
地元政治 2008年からパリ第7区の区長、同時にパリ市議会議員として活動(現職)
欧州議会 2009年7月〜2019年7月まで欧州議会議員。テロ対策や過激化防止政策の報告者として影響力を発揮
文化大臣 2024年1月よりガブリエル・アタル内閣、その後バルニエ・バユ政権で文化大臣を務める
元ルノーCEOのカルロス・ゴーンとラシダ・ダティ
被告 罪名 刑罰内容(推定)
ラシダ・ダティ 受託収賄(passive corruption)、
影響力取引、職権乱用・信頼違反
最大10年懲役・100万ユーロ罰金、
資格停止(最多5年)、資産没収や公職剥奪の可能性あり
カルロス・ゴーン 企業役員による権力乱用、
信頼の裏切り、積極的収賄・影響力取引
最大10年懲役・100万ユーロ罰金、
民間資格剥奪、財産没収等、副次制裁も想定
人物 起訴または有罪内容
ラシダ・ダティ 欧州議会議員在任中(2009–2019)、ルノー‐日産のオランダ法人(RNBV)と結んだ契約名目で
2010〜2012年に約90万ユーロを受け取ったとされる。報酬の名目は法的アドバイスだが、実質的な業務がなく、議会においてルノー側の利益を促進する違法ロビー活動ではないかとされ、
「受託収賄」「影響力取引」「権力濫用」「背任」の疑いで2025年7月、パリ刑事裁判所に送致され、公判が予定されている。初回予備審問は2025年9月29日予定。
カルロス・ゴーン 元ルノー・日産CEOとして、RNBV経由でラシダ・ダティへの支払いに関与したとされ、
フランスでは「企業重役による権力濫用」「背任」「能動的収賄」「影響力取引」の疑いがあり、ダティとともに同事件で送致され、公判が予定されている。ゴーンは現在レバノン在住。
ニコラ・サルコジ 元大統領として複数の汚職・資金スキャンダルで起訴され、有罪判決を受けています。
① 2021年:賄賂と引き換えの情報収集事件で「収賄・影響力行使」で有罪(3年刑、うち2年執行猶予、1年実刑)。
② Bygmalion不正資金事件では後の公判で1年実刑(自宅拘禁可)。
③ 2025年1月以降も、リビア資金提供疑惑(2007年選挙資金不正)に関する裁判が進行中で、最大7年の懲役と300,000ユーロの罰金、5年間の選挙資格剥奪の要求がなされています。
日付・時期 予定されている手続き
2025年7月22日 捜査裁判官が、ダティとゴーンをパリ刑事裁判所に正式送致することを決定
2025年9月29日 第1回の予備審問が予定されており、公判開廷の是非や範囲が確定される
2026年3月以降 パリ市長選挙直後に本審理(公判)が開始される見込み。具体的な開始時期は春〜初夏になる可能性が高い
その後 被告らの控訴・上訴の可能性が残されており、最終判決はさらに後の段階になる可能性あり
パリロボくん
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