
Orakle Weatherが切り拓く新しい安心の形
旅行やイベントを計画する企業にとって、天気はとても重要な要素です。特に「雨」は、売上にも体験にも大きな影響を与える避けられないリスクです。このリスクに対し、画期的な保険商品を開発したスタートアップが登場しました。それが「Orakle Weather(オラクル・ウェザー)」です。
Orakle Weatherは、雨によるリスクに備えるための保険を提供するスタートアップであり、観光業やイベント業界向けに設計されています。予約プロセスにこの保険を組み込むことで、利用者は簡単に加入でき、万が一、雨の予報が出た場合には、自動で補償金が支払われます。事故報告や書類提出などは一切不要です。
Orakle Weather誕生のきっかけは、「雨天時の保険」がなかったこと
この斬新なビジネスを立ち上げたのは、Stella Jovet(ステラ・ジョヴェ)さんとRym Ben Hassine(リム・ベン・ハッシーヌ)さんという2人の女性起業家です。2人はAXA(アクサ)での勤務経験を通じて出会い、共に保険リスクの専門家としての経歴を持っています。ある日、トレッキング旅行のために「雨天時の保険」に加入しようとしましたが、そんな商品は存在していませんでした。それが、Orakle Weather誕生のきっかけとなりました。
起業にあたり、彼女たちは保険会社および再保険会社と提携し、人工知能(AI)を活用したアルゴリズムを開発しました。このアルゴリズムは、地理情報や季節などのデータを元に保険料を算出します。ユーザーはワンクリックで簡単に保険に加入でき、雨が予測されれば自動で補償が支払われます。
キャンプ場チェーンやアウトドア関連企業と契約
Orakle Weatherは、2024年9月に創業したばかりですが、すでにキャンプ場チェーンやアウトドア関連企業(ボート・自転車のレンタルなど)と契約を結んでいます。これまでに9,000人の個人顧客を対象にサービスを提供し、安定した収益(年間売上5万ユーロ:約800万円)を上げています。
収益モデルとしては、最終顧客が支払う保険料の一定割合をOrakle Weatherが受け取る仕組みです。今後は、調達した資金を活用し、フランス国内での営業展開を加速すると同時に、技術チームの拡充を図る予定です。
今後の展望:他の気象リスクに対応する新たな保険商品への展開
目標として2025年末までに3万人、2026年末までには10万人の顧客獲得を目指しています。さらに、気温や強風など、他の気象リスクに対応する新たな保険商品への展開も計画しています。
今回、同社は50万ユーロ(約8,000万円)の資金調達を目指しており、これにより事業のスケーリングとサービスの多様化を進める方針です。
企業情報
- 企業名:Orakle Weather(オラクル・ウェザー)
- 設立:2024年9月
- 創業者:Stella Jovet(ステラ・ジョヴェ)氏、Rym Ben Hassine(リム・ベン・ハッシーヌ)氏
- 所在地:フランス
- 技術内容:AIを活用した天候予測アルゴリズムに基づく保険料算出システム
- 主な用途:観光・イベント業界における「雨によるキャンセル」などのリスク補償
- 現在の状況:
- 既にキャンプ場チェーンやアウトドア関連企業と契約済み
- 9,000人の個人顧客に保険を提供
- 商業化の進行状況:初期導入済みで、収益化にも成功(年商約5万ユーロ=約800万円)
- 目標資金調達額:50万ユーロ(約8,000万円)
- ターゲット顧客:観光業者、イベント主催企業
- 想定ユーザー:旅行者、イベント参加者など一般消費者
- 想定ユーザー:トレーダー、トレーディング部門責任者
- 対象市場:フランス国内中心、将来的には欧州またはグローバル市場への展開も可能性あり
- 売上見通し:
- 2025年末までに顧客3万人
- 2026年末までに顧客10万人
